前回までは商品が見えるハンガーイラストを軸に伝わり易さを考えた。
その中で寸法を曖昧にせずに描く必要性をかいつまんでお話ししたが今回はそこをより掘り下げて考えていく。
ハンガーイラストを描くときに⾼い優先順位で決めておくべき⼨法が着丈ではないだろうか。
特に決まりは無いのだろうが作図時も同様に私は最初に着丈設定を⾏う。
全体のサイズが見えた方がバランスが取りやすいように感じるからだ。
それもあってか、着丈が分かりやすいハンガーイラストは非常に嬉しい。
この「着丈」だがどこを指し⽰しているかあやふやになりやすい。
着丈、⾝丈、背丈、総丈、脇丈と似たものが幾つかあるのが原因なのではないだろうか。
これらがどこを指しているのか明確にしてみる。(調べたら出てくる内容ではあるがこの先の基礎となる考えなので方向性の明確化という意味でまとめてみる)
①着丈
着丈と記載があればトップスは⾝頃のCBをBNP(バックネックポイント)から裾までの製品実⼨法である。
スカートではCF上端〜裾までだ。衿やフードは含まれず衿ぐりからの計測である。
後ろ衿ぐりが⼤きく下がっている場合も着丈は実⼨法だが⼈体のBNPから製品の裾までを計測した設定着丈を同時記載しておくと⾮常に親切である。
布帛での基本的な考え⽅になる。


②⾝丈
前⾝頃のSNP(サイドネックポイント)から裾までを計測する(後ろ⾝頃で計測する場合もあるが⼀般的には前⾝頃)。
衿ぐりにリブがある場合はリブ⼱も含まれる。
主にニット‧カットでよく使われる計測位置となる。

③背丈
背丈と⾔えば世間⼀般的には⾝⻑の事を指すが専⾨的にはBNP〜ウエストラインまでを指す。
背丈記載を迫られる製品は少ないが着丈等との混同を防ぐ為にも是⾮覚えておきたい。
尚、ハンガーイラストを描く際にも背丈⼨法38c(ブランドにより前後するが)として度々登場する重要な計測位置だったりもする。
④総丈
前述にあった後ろ衿ぐりが⼤きく下がっているかキャミタイプ等の肩紐がある場合は製品のCB実⼨法に加え完全に上端からの⼨法を総丈として記載するケースもある。また、パンツやサロペット等でも多くは総丈記載が求められる。


⑤脇丈
製品の脇の丈の事だがパンツでは総丈と同義で使われる事もある。
今回は着丈位置の説明のみで一旦区切る。
次回は具体的な例を挙げて着丈が相⼿に伝わるハンガーイラストを考える。
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