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<パタンナー歴22年目が絵を描く>

執筆者の写真: 大輔 岡部大輔 岡部

ハンガーイラストを描く全ての皆様へ

「どうも自分の絵が相手に上手く伝わっていない気がする」

と考えたことはないだろうか。


■DX化に伴う問題

小職はパタンナー人生22年目の若輩だ。

私が勝手に師と仰ぐ方からの受け売りだが「線一本のモチベーション」を常に考えて機能的で無駄のない作図を心掛けてきた。

考えれば考えるほど仕事をすればするほど新たな疑問が生まれ、到底見えない頂にめまいがする毎日である。


しかしながら現代では作図技術に加え、CAD、3DCAD、Adbe各種ソフトウェア等PCを使える必要に迫られ比較的テクノロジーの影響を受けて来なかった服飾業界も

時代の進化、変化と共に覚える事が急速に増えていっている。


これらを使いこなすことによりパタンナーとして唯一無二の存在となり得るが、私にとってはまだまだ「使いこなす」といったレベルに達していない。

日々勉強であるがパターンを机に向かって手引きで作図してトワルをミシンで縫い上げ、パターンを青焼きコピーしてカッターでパーツ毎に切って、仕様書も手書きだった時代から考えると圧倒的に作業効率が上がってきている。

こうなってくると1チーム3~4人のパタンナーが必要だった現場も1~2人で回せるようになり企業側は大幅な人件費削減が見込めるのではないだろうか。

少ない人員でギリギリの納期が常態化した中であっても時として「大幅修正」「やり直し」はやってくる。

これはどのタイミングで何をどのようにするかで取られる時間の大きさが変わってくるのだが、何にしてもこれらは私にとって心のダメージも伴い時間のロスが思ってる以上に大きい。


■原因のひとつ

製品の上りについてフォーカスした場合、原因を辿るとその多くはデザイナーとパタンナーの理解のズレからきているのが分かりそのズレはパターン依頼時のすり合わせで起きているように思う。一般的なパターン依頼ではスタイル画やハンガーイラスト、参考写真、ターゲットサンプル(自社実績サンプル等)を使うだろう。

その中でやはり完成の目標であるハンガーイラストは最も信頼のおける資料であって欲しいと願っている。


最近ではしっかりと絵を描いてパタンナーに依頼するデザイナーはめっきり減ってしまったと感じるが、絵がもつ説得力は一定の必要性を持っているのではないだろうか。

また、余談だがアパレル企画において絵を描くという基本業務自体は決して無くなる事はなく様々な資料で必要とされているスキルのひとつなので是非読み進めていただきたい(2024年時点でのAI技術含め)。


これからお話しする内容は私自身の経験から考えを進めていくが、パタンナーだけではなくハンガーイラストを元に製品を作成進行している方々も同様の経験はあるのではないかと思う。


■ハンガーイラスト

まず最初に(良くも悪くも)正確にハンガーイラスト通りに作るというよりハンガーイラストを尊重もしくは優先すべきと考える。当然だが曖昧な仕様&寸法指示&シルエット等イメージが上手く伝わってこないものはトワルや1stサンプルの「大幅修正」「やり直し」の原因となる。

通常であればお互い「本当にこの仕様で良いか」「本当にこの寸法で良いか」等のすり合わせがあり「他に良い仕様があればそちらでOK」「寸法はあくまで目安で」等の答えに落ち着くが残念なことに全てにおいて相互の関係が対等とは限らず一方通行を余儀なくされるケースや質問すべき内容が分かっておらず間違ったまま進行してしまうケースもある。

このようなトラブルの大半は経験を積むことにより回避可能ではあるものの、現代の疲弊した現場では残念ながらゼロにするのは難しい。

「あの時自分が理解していたら…」

「分かる迄しっかり質問していたら…」

などのパタンナーになりたての頃の苦い思い出も頭をよぎる。


■今日のまとめ

ここでタイトルの「パタンナー歴22年目が絵を描く」に戻る。

自分の昔の失敗や悩み、普段から心掛けていること、こうであったら良いなといった希望をもとにまとめていく。

どのような絵を描くか、

それはつまり「商品が見えるハンガーイラスト」の描き方である。

「商品が見える」などと書いたがアンケートを取った訳でも何かエビデンスがある訳でもなく完全に私の独断と少しの偏見で進めていくことをご了承いただきたい。


引き続き次回以降はこれらについてまとめていきたい。

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